吐露
- 投稿日:2015年05月20日
男性入所者Aさんの息子さんは割りと頻繁に面会に来られます。
先日もテーブルに父親と並んで座りなにか話かけていました。いつもの光景です。私は少し離れたところで他の入所者の皆さんとエプロンたたみをしていました。するとAさんが突然息子さんにすがるように、訴えかけるように、振り絞った感じでの声で話しかけ始めました。どこか悲しそうな響きでした。切れ切れに言葉を発していましたので内容は分かりませんでしたが、自分の今の心情を吐露しているのだと思いました。普段はとても静かで紳士な方でしたので少し驚きましたが、私は二人をうらやましいと思いました。
私は親父と心情を吐露するような会話をしたことがあっただろうか。親父が肺がんで入院して一時退院したとき、車椅子に乗って病院の玄関から外に出たとたん「あぁこんなになってしまって」と、母と私の前で泣きました。親父が泣いたのはその一回だけですが、一種の心情の吐露だったのでしょう。心情が吐露できる、深く考えさせられた場面でした。
- 投稿者:サニーホーム