くわず女房
- 投稿日:2015年07月9日
相談員の方々といっしょに歌や紙芝居を楽しんでいます。ふたつめの紙芝居を私がさせていただきました。「くわず女房」というお話です。
むかし。あるところにけちな男がいて、「めしを食わないで働く嫁はいないか」と嫁を探していました。すると「飯を食わないで働くから嫁にしてくれろ」と美しい女があらわれ二人は夫婦になりました。本当に飯を食わずよく働く女に気味が悪くなり男は町に行くと嘘をつき、こっそり天井からのぞいてみました。すると、女が髪をふりほどくとそこから大きな口があらわれたくさんの握り飯を食べていました。「どうしよう、女は山姥だ」と男はガタガタ震えてしまい、女に見つかってしまいました。「見られたからにはこうしておけぬ」と山姥は男を風呂桶に放り込み、山道を走っていきます。男はさがっていた木の枝に飛びつき、逃げました。軽くなった桶に山姥も気づき、追いかけてきました。男は必死で逃げ、菖蒲やよもぎのはえた草むらに飛び込みました。山姥は「くやしい、菖蒲とよもぎにさわればおらの体はとけてしまう」と山へ帰っていったそうです。
それから恐ろしい鬼や山姥をよけるには菖蒲やよもぎが一番だということになりました。五月の節句に菖蒲やよもぎを軒にさすのはそういうことなんだそうです。
- 投稿者:副理事長