むかでのおつかい
- 投稿日:2015年10月9日
介護相談員さんの紙芝居。今日は「むかでのおつかい」をお話しします。
むかし、むかし。原っぱに、虫たちがたくさん集まって遊んでいました。ピョーン ピョーン。「はら、いてえ。」突然、いなごがお腹をかかえ、ばったり倒れてしまいました。こおろぎが「早く、早く、医者だ、医者をよべーっ。」バッタが「よべったって、医者は一人しかいないし、遠いぞ。」すると、年取ったカブトムシが言いました。「皆のしゅう、静かになされ。遠くの医者を迎えにいくには、むかでがよいぞ。なにしろ足が百本あるから、早く行けるにちがいない。」それはいい考えだとむかでが遠くの医者を呼びに行くことになりました。むかでは「ちょっくら家によって、支度をしてから出かけるべ!」むかではたくさんの足を、もそもそと動かして、医者をむかえに行きました。
ところが、すっかり暗くなってもむかでも医者も来ません。「いったい、医者はどうなったんだろう。迎えにいってみよう。」虫たちは相談してバッタとこおろぎが迎えに行くことにしました。こおろぎは「医者がいなかったということもあるよ。」バッタは「もしかしたら、むかでだけさっさと家に帰っているかもしれないね。」虫たちはむかでの家にたどり着きました。すると、むかでが家の前でせっせとなにかやっていました。こおろぎは「遅いじゃないか、むかでどん。」バッタは「おや、わらじを脱いでいるようだ。今、帰ってきたのかい?医者はどこにいるんだい?」すると、むかでが「いやあ、今帰ってきたんじゃないんだよ。」虫たちは「どういうことだ??」むかでは「わらじをまだ、履いているところなんだ。なにしろ足が百本もあるから、なかなか終わらないんだ。」虫たちは「ええーっ!!!」すっかり腰を抜かしてしまったそうです。むかでは「足にわらじを履かせて出かけるんだから、ちょっと時間はかかるべよ。」真面目な顔でそう言いました。ちなみに、いなごの腹痛は、あんまり跳ねすぎて腹がへりすぎていただけなんだそうです。おわり。
- 投稿者:副理事長